なぜ語呂合わせなのか?
記憶に残る知識には、意味がある
私たちが子どもの頃から今も覚えている知識には、共通した特徴があります。
それは──「論理的なつながりがあること」、あるいは「語呂合わせなどでイメージ化されていること」です。
たとえば、
「1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府」
「水兵リーベ僕の船」(周期表の語呂)
これらは意味・音・リズムが結びついているため、何十年経っても自然に思い出すことができます。
単純対応は、記憶に残りにくい
一方で、覚えにくいのが「ただの一対一対応」です。
たとえば歴史では、
「最澄=天台宗、空海=真言宗」
という対応を記憶させられますが、これは逆にしても意味が通るため非常に覚えにくいです。
しかし、
- 「天才 → 天台宗 → 最澄」
- 「真空 → 真言宗 → 空海」
このように語呂合わせ用いて記憶すると、一度で長期記憶に変わります。
実際、私自身この語呂を20年以上、まったく意識せずに記憶し続けています。
論理があると、忘れない
医学の知識でも同様です。
- 「右気管支は太くて急 → 誤嚥性肺炎は右肺に起きやすい」
これは論理的な構造を持つため、自然と記憶に残ります。
また、一対一対応でも他に似た事象がないものは覚えやすい。
- 「スタチン⇒HMG-CoA還元酵素阻害薬」
- 「アムロジピン⇒降圧薬」
これらは紐づけが明確で他に競合する選択肢がないため、短時間で定着します。
しかし、
- 「アムロジピンがジヒドロピリジン系か非ジヒドロピリジン系かどうか」
といった分類記憶は、抽象度が高く、混同しやすいため覚えにくくなります。
医師に必要な記憶とは
確かに、短期記憶で必死に詰め込めば医師国家試験には合格できます。
しかし、その知識は時間とともに失われます。
「専門医なのに、そんな基礎的なことも知らないの?」
そんなふうに思われるよりも──
専門領域には圧倒的に詳しく、かつ国試レベルの基本事項も自然に話せる。
そんな医師のほうが、かっこよくありませんか?
長期記憶に変えるには?
つまり──
知識を長期記憶に変えるには、次のどちらかしかありません。
- 論理的に理解して覚える
- 語呂合わせやイメージで意味づけする
どちらか一方でも十分に効果的ですが、両者を組み合わせると圧倒的に強い記憶になります。
このサイトでは、それを実現するための語呂合わせとイメージ記憶術を提供しています。
“学び続ける医師や学生”が、基礎から応用までスマートに記憶し直せるように。
試験勉強にも、臨床の復習にも、日々の学習にぜひご活用ください。